2013年9月3日火曜日

一眼レフカメラと眼鏡


まぁ、一眼レフカメラと眼鏡の相性は最悪。そもそも構造上、どう考えても良いわけがないのです。とはいえ、角膜が弱いからコンタクトが使えないなど、様々な事情で眼鏡を使用している人。あるいは「眼鏡はアイデンティティ、外せるものかっ!」そういう人もいるはずですよね。そんなメガネカメラマン(私もその一人ですが)は、だいたい次の様な現象に悩んでいるかと思います。

1、構えが安定しない(手ブレする)
2、ファインダーの隅が見えない
3、眼鏡のレンズ劣化が激しい

例えば1について、今までに眼鏡を外して裸眼で撮影した事が無い方は、一度眼鏡を外して撮影してみましょう。手ブレするかなぁ~?どうかなぁ~?くらいの暗めの室内を撮影するだけ十分です。同条件で、眼鏡をはめて撮影したものと、画像を比較してみてください。裸眼の方は明らかに手ブレが写真が少ないか、あるいは手ブレしていても、それほど酷くない、ということが実感できるはずです。私も自分で試してびっくりしましたから。やはりいくらしっかり構えても、眼鏡が人に固定されているわけではないので、シャッターボタンを押した瞬間、微妙にカメラが動いてしまう事があるのは、どうしようもないかな、と。

眼鏡を愛好しているプロカメラマンも、最終的には慣れの問題と言いつつ、やっぱり眼鏡は一眼レフにとって「百害あって一利無し」だと言います。普段は眼鏡でも撮影時は使い捨てコンタクト、あるいは裸眼+視度補正+接眼補助レンズの組み合わせで撮影している人もいるとか。

で、結論から言うと、「やっぱり慣れるしか仕方ない」、あるいは「コンタクトで撮りなさい」ということになりますが、それではあんまりだし、ブログをいちいち書いてる意味がありません(笑)


ここは一発、少しでも快適に撮影する方法について、眼鏡側の視点から考えてみましょう。と言っても、一人であ~だこ~だ悩んでいても仕方ありません。眼鏡屋さんに行って相談することにします。



その前に、一眼レフカメラ+眼鏡の問題をまとめると...

A) カメラを構えた際の安定性に欠ける(構図がズレる、手ブレ)

B) アイカップと目の間に空間ができ、撮影条件によっては光が入って見難い。

C) ファインダーの隅が見づらい。

D) 眼鏡が曇る、もしくは分泌物で汚れる。

E) アイカップとレンズが当たって、コーティング剥がれてくる。

F) 眼鏡がずれて、きちんとファインダーがのぞけない。

G) 最後に写真家・内村コースケさんの指摘ですが、「眼鏡の度は中央付近と周辺部では違う・・・レンズの中央をファインダーに当てないとしっかり見えません。これが構え方を限定して、窮屈になります。そのせいで、眼鏡で撮り始めてから絵が右下がりに傾く傾向が出ました。これは最後まで直りませんでした」

ふむふむ、結構ありますね。それではそれぞれ解決方法を聞いてみましょう。



A) と F)
・フィット感のよいスポーツ用眼鏡を使うという方法はどうか。
・フェイスパッドがついているものならば、よりズレにくいかも。
・ゴーグルタイプなら恐らくズレはないんじゃないでしょうか。

→ゴーグルタイプは流石にイカついか...

SLAM GOGGLE XL(出典:REC SPECS


→モーターサイクル用でフェイスパッドがついてるサングラスがあるので、これを流用して眼鏡を作るとカッコいいかもしれません。

ZEPHYR / SANDALWOOD(出典:7eye


→あと花粉対策メガネも良さそう。花粉を遮る部分が支えとなって、アイカップを押し付けた際に安定しやすそうですね。ちょっと痛そうだけど。

KF-13S-003(出典:JINS)



B)
・眼鏡と顔の隙間は、上記のフェイスパッドのようなもので何とかなる。
・アイカップからはみ出るレンズ部分からの光の侵入は、防ぎ様がないです....

→眼鏡を覆ってしまうような、大きなアイカップが必要?知ってる限りではこれが一番大きいが、果たして防げるものなのか?

ラバーアイピースFEE(出典:Discover Photo



C)
・これは眼鏡屋さんに聞くまでもない。
・なるべくアイカップを眼鏡に押し付けて撮る。
・あるいはアイカップを薄く加工する。


D)
・曇りやすいのは物理的に曇りにくい加工するか、曇り止めを使用。
・汚れは拭き取って下さい。分泌物を付着したままにしておくと、溶剤の役割を果たしてコーティングを侵します。

→この点については、お手入れをきちんとするしか方法がないのかな、という感じでした。


E)
・アイカップと眼鏡の間に噛んだホコリで傷がつくと、そこからコーテイングが剥がれだします。
・ガラスレンズは傷つきにくいので、一度使ってみては?

→傷つきにくいという理由以外にも、レンズとしての性能はガラスの方が良く、こだわりのあるカメラマンは、あえてガラスレンズを使用されている方もいらっしゃるとか。(目の性能がスゴク良い人は、プラスチックレンズを使うと、視界がモヤンとするそうです)


G)
・レンズの特性上、はっきり見えるのはレンズの中央のみ。
・ただあくまでも「レンズの中央」なので、眼鏡の中心からレンズの中央をずらすことで、「特定の領域をはっきり見る事ができる眼鏡」を作製する事は可能。

→つまり、はっきり見える位置を左に寄せて、上に寄せて、ということも対応可能なんだそうです。もちろん限度はあるそうですが。普段使い難くなることを理解の上で、カメラ用と割り切るのであれば、そういう手段もあるというお話でした。余談になりますが、アーチェリー用とか、レースをバリバリ走る人向けのバイク用眼鏡なんかは、かなり独特のセッティングらしいです。

つまり、こういうことです(出典:Zoff

こんな具合に、考えられる対応策を教わる事ができました。ただ「カメラ撮影専用眼鏡」というのはほとんど実績が無く、要望でガラスレンズを使用することくらいしか、今までに経験が無いそうです。ちなみにこの眼鏡屋さんは特殊眼鏡に特化した眼鏡屋さんで、近畿一円から眼鏡に困った人が訪れるお店なのです。それでも実績が無いという事は、やっぱり特殊な要望なのでしょうね。

眼鏡については、他にも色々とお話を聞くことができましたが、それはまた後日。

最後に「眼鏡はある意味消耗品で、どんなに大切に扱っても、プラスチックレンズは2~3年、ガラスレンズで5~10年が寿命というところなので、プラスチックレンズでカメラ専用眼鏡を使って使い倒す、というのも手かもしれません。アイカップと眼鏡が当たるという問題がある以上、いくらレンズが丈夫になったとはいえ、通常の使い方より傷みは早くなってしまいます」というお話でした。

うーん、やっぱり慣れるしか無いのかな(笑)

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