2011年5月3日火曜日

活版印刷

今日は東急ハンズで活版印刷を体験。
一応印刷屋さんなので一通り印刷については学んでいますが、活字を実際に組んだり、本物の活版印刷機を動かしたのは初体験です。
微妙な凹み具合とか、同じ文字でも活字の磨り減り具合でひとつひとつ表情が違うところとか、なかなか魅力的な印刷方法だと思います。

ただ、現代では使いどころが限られる方法でしょうね。
味がある良い印刷方法だとは思いますが、量産品に置いてはその『味』が、様々な形で足を引っ張るために使われてしまいますから(苦笑)。
しかしそれも量産品では仕方がないこと。
購入者も含めて多くの人が関わる商品において、全員に似たような価値観を持って製品に接してもらうってのは、ほぼ不可能なことなので。

ですから、デザイナー・企画担当者の目が届くような規模の数量で、一点一点印刷物の表情が違うことにも理解を示し、愛情をもって接してくれるユーザー(ファン)がいる、そんな場面でなければ使うことは難しいと思います。
ということは、雑貨を作っている人であるとか、個人経営で印刷物が必要な人なんかには向いてるかもしれませんね。
神戸だと、駆け出しの洋菓子店なんかで用途を見つけられそうです。

個人的には名刺には絶対使ってみたいし、活版印刷+ホットスタンプ+貼箱なんて仕様でパッケージを作ってみたいとは思うんですがねぇ。
絶対に良い方法なのに、状況に合わなくなって埋もれてしまっている技術って、他にも結構あるんだろうなと考えさせられた体験でした。

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