2014年5月15日木曜日

ハンドメイド クロモ自転車 大展覧会 「おまけ」

おまけとして、あまりためにならない「用語集」を執筆。随時追加します。

【あ行】
■異音
うえノンがドリルを使用時に発生させる高周波。最近は出なくなってしまった。

【か行】
■カミル
削り過ぎる炙りすぎるなど、自転車工作において失敗することの総称。



【さ行】
■茶丈藤村
ビワイチ、あるいは滋賀をめがけて走ってくるローディー達の憩いの場。美しい女将がお出迎えしてくれる。和菓子が美味しいよ。
http://sajo-towson.jp/sajo_towson/

【た行】
■タップ
作業中に、一体何本折れるだろうか?それだけが心配だった。

「ひとり1本は折ってしまうのかな?」

こんな所から既に不安で一杯だった今回のプロジェクト。しかし意外な事に、そんなに折れなかったのだ。ちなみにうえノンはタップではなく、ドリルを一本折る大失態。あっ、ちなみにネジを切る道具の名称です。

■手ぐい
手でグイグイやってパイプを変形させること。
難しく解説すると、パイプに降伏点を超えるまで力を加えて変形させ、力を取り除いても元の形に戻らず変形が残る、「塑性」と呼ばれる現象を起こすことを「手ぐい」と呼ぶ。

【な行】
■NASAバンド
「びわこぐまのうた」「サイクリングヤッホー」最近では「カミルブルース」を発表している。活動拠点は美容室。現在、CD完売間近ですよ!

【は行】
■比叡平
なんだか楽しそうな人が集まっている場所。滋賀県の一部。

■びわこぐま
ナゾの生き物。この中に入っているのは・・・詳細はこちら



■びわこぐま号(初代)
つよぽ師匠が某社の指導を仰ぎ、製造された初代びわこぐま号。琵琶湖一周をはじめとし、淡路島一周、クリテリウム、ヒルクライム、東京往復に耐えたフレームだ。まだまだ現役。



■フエンテ
今回のプロジェクトの中心となった秘密工房。お仕事は常に募集中だよ!
https://www.fuente.co.jp/


【ま行】
【や行】
【ら行】
【わ行】

以上、続々更新予定。

2014年5月14日水曜日

ハンドメイド クロモ自転車 大展覧会 「採寸するぞ!」

計測を待つ上野氏のRIDLEY(やらせ)

 本章は、ロードバイクを作製するにあたって必要となる、“図面”を書き起こすための“採寸”について述べている。(ちょっと堅いな)

 世に存在するプロダクト(工業製品)には、必ず“図面”が存在する。一品ものについては例外があるかもしれないし、現物合わせということも実際にはあるけれど、少なくともベースになる寸法、もしくは寸法を導くためのノウハウが存在しているはずである。自転車についてはモノの本によると、『ヨーロッパでは“きちんと図面を起こす国”と、“ビルダーの感性(ノウハウ)で寸法を決める国”に分かれており、日本はきちんと図面を起こす方が主流である』とあった。しかし、つよぽ師匠の調べによると、どうやら実態は違うらしい(シティサイクルも含めた“絶対台数”で考えるならば、図面を起こす方が多いのかもしれないが...)では、今回のプロジェクトは、どのような方法で進められたのか?それは「今乗ってるロードバイクを測って、その寸法から図面を引き、ロードバイクをつくる」という方法だった。

 パナソニックのPOSや、アンカーのオーダーシステムを利用したことがある人は、身体の各部位を計測して......という方法を思い浮かべるのではないだろうか。確かに、身体の各部を測って、理想的な寸法を導きだす方法(※余談①参照)もあるにはある。しかし、その方法で導き出した寸法が本当に正しいのだろうか。なにせこちらは素人である。検証する方法も経験もないのだ。また、一口にロードバイクと言っても、その使用目的は個々人によって違うだろう。バリバリのポジションが正解とは限らない。なにより、慣れ親しんだポジションを急激に変えるのもどうか?という問題もある(※余談②参照)。

 そもそも自転車という乗り物、ある程度ポジションは変えられる構造になっているのだ。ならば、ひとまず現行のセッティングに合わせて作り、後は微調整で自分の身体に合わせるという方法が、今回のプロジェクトにはピッタリくるのではないか。また、自分の自転車の現状を測定した上で、明らかに「んんっ?」という場合には、個別に相談して、調整すれば良いのだ。そのための自作なんだし。

 ということで、ツヨポ師匠から下った指令は「以下の数値(下記画像の赤字部分)を測ってくるのだ!」というものである。その数、私の記憶とメモに間違いがなければ5ヶ所。

測るのは5カ所だけ!?

 5ヶ所だけの寸法で、自転車が設計出来るものなのだろうか?結論を言うと、問題無くできる。言いたい事は色々あるかもしれないが、最終的に形になったのだから、できるのだ。詳細は別項で述べるが、そもそも今回のプロジェクト、使えるラグに制限があるので、細かい数値を希望しても、そもそも実現不可能という事情があった。また今回は、ヘッド角とシートチューブ角を73°前後で設定したので、これだけで設計ができてしまうもなのだ。そんなこんなで、計測の上、つよぽ師匠に送りつけたのがこれ(下記)である。ちなみに、青の数字はメーカーのカタログから拾った数値で、設計寸法ではない。

うえノン、リドレーから採寸

 さてさて、この寸法から、どんな図面が出来上がるのだろうか?
 


余談①
 実は私、大学生の頃に自転車の人間工学に関する研究室で、データ採取とその整理という、ちょっと変わったアルバイトをやっていた。その傍らで、人体の寸法 から自転車の各サイズを決定するノウハウの調査、というのも実施していた。大学ノート数冊分のノウハウ通りにエルゴメーターのポジションを設定、乗り込んで数値を計測してみると、なるほど結果は良好であった。しかしそのポジションで実際に皆が走れるかというと、厳しいのも事実。そりゃそうだ、バリバリのロー ド乗りのポジションが導けるノウハウなのであって、「サドルにまたがって足裏がベタベタに着く」ポジションが正だった時代、そのポジションに理解を求めるのは無理があったのだろう。


余談②
 かなり昔のサイスポだったと思いますが、あるビルダーさんのインタビューが掲載されていました。名前は失念しましたが、インタビューを要約するとこんな感じでした。
「十年以上も上体が立った状態で、しかも前乗りに慣れた人に、理想的なロードのポジションでフレームを作っても、乗っていて楽しくないし、何より身体を痛めてしまう可能性もある。であれば、現在のポジションを少し理想に近づける方向でフレームを作れるのがフルオーダーの魅力なんだけど......でも、自転車をちょっとカジッた人がそのフレームをみたら、『あれ、なんでそんな寸法で作らされちゃったの? ●●●(ビルダーの名前)も全然分かってねぇなぁ』っていう評判になっちゃうんだよね」
......なるほどねぇ(苦笑)